パリジェンヌのファッション【前篇】


パリの広場や公園のベンチに座って
まわりの景色や空、

街行く人々をぼーっと眺める日々を繰り返して見えてきた、
「パリジェンヌ」のエッセンス、あれこれ。

その一。 メイクに手抜かりなし


街中、カフェでもメトロでも。

ナチュラルなようで、彼女たちはメイクに手抜かりなし。


とはいっても、それは引き算上手なメイク。


極太アイラインやつけまつげ、濃くてまるいチークなどとは正反対。

きちんと鏡を見て、自分の顔の造形をよく研究しているメイク。


そして、

もともと美人です、といわんばかりに

しれっと、

言葉を変えれば、

自信を持って堂々と歩いている。

その姿には敬意を表したいほど凛としていて、

そして。
パリの男性たちは、ちゃんとその努力を評価してくれていると感じる。

たとえば、姿勢を正して、

目があったらにっこり微笑むだけで、
わかりやすすぎるほど扱いが変わる。

美しい装い、立ち振る舞い、

女としての成長を、

きちんと評価してくれる街。

こんな環境に鍛えられてきたパリジェンヌ。

さすが、メイクもファッションも、
こなれてゆるく見えるのに、計算ずくなのにも納得がいく。


その二。 薄着を重ねる


とにかく思ったこと。

「みんな、薄着!」

薄手のトップスの重ね着が上手なのです。

わたし自身はあまり重ね着は得意ではなくて、

シルエットがきれいだったりおもしろいアイテムが好きなので、

それを活かせるように一枚で着たいのだけれど、

パリでよく見た重ね着は、
一枚一枚が透けるほど薄いので、
重ねても野暮ったいラインにならず、ボディにきちんと沿う。

シルエットを崩さずに、でも、力が抜けて見える。



その三。 カラーコーディネート


たまたまかもしれないけれど

街でも赤いパンツやタイツを履いている人が目に付いた。

赤はとりわけ目立つ色だけれども、

ほかにもグレー、茶、紺・・・

日本よりも、カラータイツをよく見かけた印象。

そして、日本で冬になると街中に量産される、
厚ぼったい黒のタイツは逆にあまり見なかった。

黒を履くとしたら、デニール数の低い、薄手のもの。

もしくは、黒のスキニーパンツをはいている人をよく見かけた。

プラス、足元は黒のショートブーツ
(もしくはロングブーツでパンツの裾はブーツイン)。

カラータイツでも、タイツの色とショートブーツの色を合わせて、
脚を長くみせていた人が多かった。
後篇へつづきます。