花の色は。




花の色は うつりにけりな いたずらに

わが身世にふるながめせしまに



  この歌を詠んだ小野小町は

絶世の美女とうたわれたその容姿も
桜の花も人の心も

すべては去り行くその儚さを

丁寧に拾いあげてはひとつひとつ

眺めていたのだとおもう。

その眼に、この世界はどんなふうに映っていたのでしょうか。