珈琲時間。



珈琲はずっと、飲めませんでした。
 
飲めるようになったのは去年、

豆を焙煎して、ミルで挽いて淹れてもらった、

自家製珈琲の味を知ってから。

今では、毎日の暮らしに欠かせない存在になっています。
 


朝、起きて、一番はじめにすること。

焙煎しておいた珈琲豆を銀の匙に一杯分、ミルで挽いて、

フィルターにゆっくり、細く、熱湯を注ぐ。

するとブラウニーが焼きあがるときみたいに、
 
ぽこっと珈琲の粉が膨らむ。

それを見るのが好きです。

部屋に珈琲の香りがほんわり漂いはじめ、

ふうふう冷ましながら、

マグに唇をよせて、ひとくち。

しあわせはあたたかくて、ほろ苦い。